#2 街 2
「オレねぇ・・・転勤になるんだ。」
「え?!そうなの・・・どこへ?」
「うん・・・遠いトコロ。」
「・・・そっかぁ、じゃあ、あんまり会えなくなるね。」

気まぐれに吹き抜ける春風が彼の答えをさらってゆく。
左手にある感覚だけが、この瞬間信じられる全てのような気がして
少しだけきゅっと力を込める。
繰り返されていく日々は単調であるようで、
決してそうではないのかもしれない。
変化は見えないところで始まって、私たちが気づく時には
とても大きなものとなって、姿を現す。
その変化をどう受け入れるかが、もしかしたら大切なのかな?
幸せって何だろう?
「この街、いい街だよね、離れがたいなぁ・・・。」
「・・・うん、私もこの街が好き。」
けれど、どんな形であれ、1度でも通い合ったココロとココロは離れない。
たとえ二人が別々の場所で、それぞれの暮らしをしていたとしても、
通わせ合ったココロの記憶は永遠に刻まれ、
二人の記憶がなくなったとしても、肉体が滅びたとしても、
二人が時と気持ちを重ねたこの場所、そう、この街が
しっかりと記憶を留めているのだから。
「ねぇ・・・海に行こうか?」
ぎゅっと繋ぎ合った手に力を込めながら、彼が言った。
----------------------------------------------------------------
*新しい場所
この新しい場所とは、住む場所のこと。
引越しなんて、そんなに経験はないけれど、
私が生まれ育ったのが広島で、今、生活してるのは群馬。
土地が変われば、言葉、環境、習慣など、色々なものが異なる。
驚きと戸惑いの連続から、いろんな発見へ。
新しい場所は、たくさんのものを私に与えてくれた。
「住めば都」というけれど、本当にそう。
私ね、こっちに住み始めて思ったのは、
出来る限りは、いろんな場所で生活してみたいなってこと。
同じ土地に留まるなんて、もったいないなぁって。
だって、一度きりの人生なんだしね。
旅に出て、いろんな土地をめぐることでも、それはできるけれど、
私は見知らぬ土地で新しい生活をしてみたい。
そうはいっても、現実は、なかなか難しいけどね~。
死ぬまでに、せめてあと2回は別の場所に移り住みたいのだけど(笑)
できれば、今度は、海の見える場所で^^
(ホント勝手なこと言ってるw)
私って、遊牧民とかジプシーの血が流れているのかしら?
けれど、私が過ごした場所(街)は、しっかり記憶を留めていてくれるのかな?^^
- 関連記事
-